未分割のまま申告期限が来た…損しないために最初にやること
こんにちは!
大阪の税理士 グロースリンク税理士法人大阪オフィスです。
相続が始まって数か月。
家族の予定が合わず、不動産の評価や名義の確認も終わらない。
ようやく全員が集まれたと思ったら、今度は「誰が家を継ぐか」で話が止まる。
そんなときに、ふと頭をよぎるのが「このまま申告期限に間に合わなかったらどうなる?」という不安です。
遺産分割は感情も絡むため、簡単には決まらないことがあります。
けれど、相続申告の期限は待ってくれません。
そこで必要になるのが、未分割でもいったん期限内に申告し、分割が決まった後に特例を反映させるという現実的な進め方です。
今回は、その手順と期限管理のポイントをできるだけわかりやすく整理します。
まず押さえるべきは「未分割でも期限内に申告・納税は必要」という現実
相続財産の分割が終わっていなくても、申告期限そのものは延びません。
そのため、遺産分割が未了のときは、いったん法定相続分などを前提に計算して申告・納税を進めることになります。
そして、ここがつらいところですが、未分割の当初申告では 小規模宅地等の特例 や 配偶者の税額軽減 などが、原則としていったん使えなくなってしまいます。
「申告期限後3年以内の分割見込書」=あとで特例を使うための“布石”
未分割で期限内申告を行うときは、当初申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付します。
この手続きをしておくことで、後日遺産分割が成立した段階で当初申告では適用できなかった特例を反映し、更正の請求等で税額を調整する流れに移ることができます。
未分割申告は“暫定”ですが、後工程を見据えた書類の準備があるかどうかで、後日の対応のスムーズさが変わります。
分割できたら勝負は「4か月」:更正の請求で特例を取り戻す
分割がまとまった後は、当初の申告と実際の取得内容がズレてきます。
そのズレを正す手続が、修正申告または更正の請求です。
- 実際の分割により税額が増える → 修正申告
- 実際の分割により税額が減る(=特例を反映できるなど)→ 更正の請求
ここで強調したいのは、更正の請求には“動ける期間”が短いということ。更正の請求は「分割のあったことを知った日の翌日から4か月以内」です。
「分割が終わってホッとした瞬間」に、税務手続が抜け落ちやすいのが未分割の落とし穴です。
さらに、特例を反映できるのは、原則として申告期限から3年以内に分割があった場合とも整理されています。
つまり未分割対応は、“話し合いの期限”ではなく、税務の時計(3年+4か月)で設計するのがコツです。
もし3年以内に分割できないなら:「承認申請」という延長戦のルール
3年以内に遺産分割がまとまらないことも、実際には珍しくありません。
たとえば、「訴訟や調停・審判に進んでしまった」や「相続放棄の判断に時間がかかる」など理由はさまざまです。
こうした事情があるときに備えて用意されているのが、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」です。
提出できる期間は、申告期限から3年が経過した翌日から2か月以内。
ここはうっかり逃しやすいので、早めにスケジュールに入れておく必要があります。
また提出先も迷いやすいのですが、申請者の住所地ではなく、被相続人の相続開始時の住所地を管轄する税務署が窓口になります。
まとめ:未分割は「先送り」ではなく、“二段階で整える”という設計
未分割は、家族の事情が絡む以上、誰にでも起こり得ます。大切なのは、感情の整理と税務手続を切り分けて、次の順番を守ることです。
①期限内:未分割で申告・納税(法定相続分等で計算)
②同時に:分割見込書で“後日の特例適用”への布石
③分割後:4か月以内に更正の請求(または修正申告)
④3年を超えそうなら:承認申請(2か月の窓)
未分割は「何から手を付けるか」で結果が変わります。
期限から逆算して、申告・分割・更正の請求までの道筋を早めに整えることが大切です。
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このコラムのまとめ
- 未分割でも相続税は期限内申告・納税が必要で、特例は当初使えないことがある。
- 分割見込書を添付し、分割後は「4か月以内」の更正の請求で特例を反映する。
- 3年以内に分割できない場合は、承認申請の「2か月の窓」を落とさない。
